物理・宇宙プログラムの和田桂一教授、国立天文台の泉拓磨助教を中心とする国際研究チームは、アルマ望遠鏡を用いて、近傍宇宙にあるコンパス座銀河を約1光年という非常に高い解像度で観測し、太陽の200万倍もの質量の超巨大ブラックホール周辺のプラズマ・原子・分子の全てのガス相の流れを観測しました。その結果、超巨大ブラックホールへ向かう流れ(降着流)の存在が世界で初めて明確にとらえられました。さらに、降着流の大半はブラックホールの成長には使われず、一度ブラックホール付近から噴き出た後に、ガス円盤に舞い戻って再びブラックホールへの降着流となること、つまりサーキュレーターのような物質循環が起きていることも分かりました。これにより長年謎だった超巨大ブラックホールの成長メカニズムの解明に大きく前進しました。これらの観測成果は、Izumi et al. “Supermassive black hole feeding and feedback observed on sub-parsec scales”として米国学術雑誌Scienceに2023年11月2日付で掲載 (DOI: 10.1126/science.adf0569) されました。詳細はこちらをご覧ください。