CST養成コース

コア・サイエンス・ティーチャー養成コースパンフレット

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「科学する楽しみ」を教えよう!

理数系分野への知的好奇心に満ちた小中学生の育成を目指し、理数教育において中核的な役割を担う、小・中学校CST教員(コア・サイエンス・ティーチャー:CST )の養成

 

  • 実施機関:鹿児島大学
  • 連携機関:鹿児島県教育委員会・鹿児島市教育委員会

実践理科実験室「物理学実験室」での授業の様子

実践理科実験室「生物学実験室」での授業の様子

実践理科実験室「化学実験室」での授業の様子

実践理科実験室「地学実験室」での授業の様子

1 概要

1. CST養成コースの開講

 鹿児島大学では,平成21年度から本学と鹿児島県教育委員会が実施機関となり、鹿児島県総合教育センター・鹿児島市教育委員会の連携の下、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の理数系教員養成拠点構築事業「実践的コア・サイエンス・ティーチャー(Core Science Teacher,以下CST)養成スクール」を開講し、平成25年度末までに大学院生・小中学校現職教員44名のCSTを輩出してきました。
 JST支援の下の本事業は平成24年度末で終了しましたが、理数系教員の養成の重要性から、「実践的CST養成スクール」で得たこれまでの経験と実績を踏まえ、平成25年度からは、「CST養成コース」と名称を変更し、継続実施しています。

2. CST養成コースの目的

 CST養成コースは、小・中学校の理科教員を目指す大学院生及び小・中学校の現職教員を対象に、本学独自の教育プログラムによって、理科教育に関する幅広い知識や観察・実験の知識や技能の向上を図り、小学校・中学校での理科教育において、児童・生徒に「科学する楽しみ」を伝えることができる教員の養成を目指しています。また、地域における理科教育の拠点構築や活動を通じて、教員研修会や教材開発などで中核的な役割を担う教員として、地域の小・中学校の理科教育における指導力向上に資する人材の養成を図ります。

3. CST養成の背景

◆理科教育の充実を推し進める力のある教員が求められています。  JST理科教育支援センター実施の「小学校理科教育実態調査」及び「中学校理科教師実態調査」によると、小学校の多くの教員が理科の指導に苦手意識をもっており、教科指導において外部人材の支援を必要としている教員が多いことが指摘されています。また、中学校理科教員においても、理科の領域によっては、知識や技能に不安があるために、理科の指導に自信をもって臨むことができない現状が指摘されています。  このような情勢は、理科教育環境における小・中学校教員の指導力不足を指摘するものであり、理科の指導を行う教員へのサポート体制の問題として、改善されていくことが必要とされていることなどが背景にあります。

4. CST養成コースの特徴

 CST養成コースは、鹿児島大学大学院理工学研究科・農学研究科・水産学研究科の理系3研究科が連携し、鹿児島県教育委員会、鹿児島市教育委員会の協力の下で開講され、各研究科及び教育機関の特徴を生かしたCST養成教育プログラムが提供されています。

 CST養成コースの受講対象は、鹿児島大学大学院理工学研究科、農学研究科、水産学研究科に在籍する大学院生(小学校教員免許、中学校教員免許(理科)のいずれかを取得或いは取得見込者)と小・中学校の現職教員です。特に、現職教員は、小・中学校における理科教育の即戦力として期待されています。

 CST養成コースで提供される授業は、現職教員の再教育や学校教育現場ですぐに活用できる「理科」のノウハウを提供するのではなく、新たな知識と科学的思考の充実を図り、“科学する眼”を持つ高度理科教員として養成することを目指しています。そのため、CST養成コースの受講者のみなさんは、講義と実験・実習等を通じて、理科の面白さを体感するとともに、専門的な知識や観察・実験の技能の深化・拡充を図り、科学的なものの見方・考え方を培っていきます。

 これまで受講している現職教員は、小・中学校において、子どもたちが理科を学習するのは楽しいと思ってくれる授業の実践、地域の理科教育の推進に貢献できる教員を目指し、CST養成コース授業の受講と勤務校での仕事を両立させて頑張っています。

 CST養成コースを修了した大学院生及び現職教員は、CST教員の認定を受け、CST教員として県や市町村教育委員会、鹿児島県総合教育センター等と連携しながら、授業提供や事例発表など積極的に行って現場の教員をリードし、地域の理科教育の拠点として、教員研修会の開催、地域理科教材の開発、理科指導に不安を持っている教員のサポートなど、地域の理科教育の充実に向けたCSTとしての活動が期待されています。

◆CST養成スクール受講修了者の評価(抜粋)

  • 現職教員の方々と一緒に受講し、質問の内容などが教育現場でいかに活用するかを考えておられて、とてもよい刺激をいただいています。(大学院生)
  • 火山灰(シラス)が年数によって(水との反応から)変化することを初めて知りました。定性的な実験と定量的な実験の手法を見せていただき,科学的な眼,考え方,アプローチの仕方が少し分かった気がします。また,ペルチェ素子に関する実験が面白く生徒にさせてみたいと思いました。(現職教員)
  • プラスチックが繊維のようなものが折り重なっていることで,気体の分子が通過し臭うなど,気づけなかったことや考えられなかったものを教えていただき有り難うございました。プラスチックのモノマーとポリマーの構造は,中学校の粒子概念を教える際も触れていきたいと思います。海洋プラスチックゴミの問題がクローズアップされているので,紙や竹といった自然素材の良さ,活用が見直されると思います。プラスチックと比較して授業する良いヒントをもらえたと思いました。 (現職教員)
  • 前半の鉱物の分類は,昨年度末に1年生理科で取り扱った内容でした。鉱物と結晶の関係を分かりやすく説明されたことで納得がいきました。また,現在の授業にあった形式で特にコンピュータを使い,実験道具を使用するより深く理解が出来るやり方に関心し自分の授業も見直してみようと思いました。(現職教員)
  • 理科の全分野について、領域でテーマを設定してまとめて学ぶことで、領域ごとの知識を深く理解できることがよい。以前よりも思考する機会が増えた。未履修の分野に触れる学びを通し、異なる見方や考え方を知ることができて実際に体験してとても楽しかった。教科書で教えていることが絶対に正しく完全であるとも言えないことについて再認識した。(現職教員)
5. CST養成コース受講応募資格と受講料

1.  鹿児島大学大学院の理工学研究科、農学研究科、水産学研究科のいずれかの研究科に在籍し、小学校教諭免許状あるいは中学校教諭免許状(理科)を取得している本学大学院生(修士課程或いは博士課程).本養成コースの受講料は無料です。

2. 鹿児島大学大学院の理工学研究科、農学研究科、水産学研究科のいずれかの研究科に在籍し、小学校教諭免許状或いは中学校教諭免許状(理科)を大学院在籍中に取得見込の本学大学院生(修士課程或いは博士課程)、本養成コースの受講料は無料。ただし、小学校教諭免許状或いは中学校教諭免許状(理科)取得に必要な単位の取得に関わる経費(科目等履修経費等)は自己負担です。

3. 鹿児島県の小学校・中学校(理科)の現職教員であること。本養成コースの受講料は無料です。

6. CST養成コース受講期間

1. 養成期間は2年間(1期〜4期)です。

2. 小・中学校の現職教員は、勤務地の異動などを考慮し、1年単位で受講することができます。ただし、残り1年間の受講終了後、CST教員として認定されます。

3. CST養成コースは、原則、土曜日及び小中学校の長期休業期間に開講します。

4. CST養成コースの受講料は無料です。ただし、通学,現地研修、実習等で移動に要する経費(交通費等)は自己負担です。

2 養成プログラムについて

本養成プログラムは、「共通授業群(全受講者対象)」と大学院生と現職教員では一部異なる「理科指導実習」から構成されています(表1参照)。 また、受講期間である1〜4期で開講される授業が異なります。

1. 「共通授業」の概要
  • 「理科実験室」

小・中学校の理科で行う学習内容や観察・実験に必要な理論及び方法等の高度な知識と技能を習得します。偶数年度は物理学と生物学の分野を、奇数年度は化学と地学の分野を開講します。各実験室は、講義を主とした授業90分と実験・実習を主とした授業90分を合わせて1回とし、5回開講します。
授業案内は下表のPDFファイル(暫定版)をご覧ください。なお、授業担当者の都合により、授業内容が変更になることがありますので、予めご了承ください。

 

  • 「理科研修実習」
    鹿児島県総合教育センターが実施する「短期研修講座」を受講する(1年目開講)。

 

  • 「先端科学入門」
    大学教員が各人の研究分野の取組や最新のトピックスなどを分かり易く解説します(毎年開講)。
    ただし、開講年度により講義テーマは変わります(表2参照)。

 

  • 「理科教材開発実習」
    受講者は数名から成る各グループに分かれ、各グループは小・中学校の理科分野の1つを選び,各分野の専門家である大学教員のアドバイスの下.小・中学校の理科分野の観察実験教材の開発と改良を目指します(2年目開講)。

 

 

表1 授業の一覧

科目

授業名

         概要

      

研修開始年度にA,B授業群決定

実施期間及び授業名

時間数

1年目 1期

(4~7月)

2年目 3期

(4~7月)

理科実験室

授業群

小学校中学校の理科(物理・化学・生物・地学)で取り上げられる実験観察課題を題材にし,実験観察などを理解するために必要な理論的講義と実践的な実験・観察をする。

物理学実験室

生物学実験室

化学実験室

地学実験室

1実験室について,講義を主とした授業90分間,実験・観察を主とした授業90分間を実施。

全実験室の総時間数は2年間で60時間。

授業群

物理学実験室

生物学実験室

化学実験室

地学実験室

 

科目・授業名

概要

1年目

2年目

時間数

理科研修実習

県総合教育センター短期研修講座受講

1期・2期

 

6時間×2日間=12時間

理科教材開発実習

小中学校の理科分野の一つを選び,教科書の観察実験等の教材の検討と開発を実施する。

 

4期

(10月~3)

3時間×3日間

先端科学入門講座

理学部,工学部,農学部,水産学部に所属する教員の専門分野から成る先端科学トピックスを紹介する。

夏季休業期間中

夏季休業期間中

90分間×4回,4日間

夏季休業期間中に各学部1日の集中講義(全四日間)

理科指導実習

教員養成講座

教職への理解を深め,素養となる知識の理解や全体像を捉える。

1期・2期

(4月~11)

 

1時間×15

CST活動1

大学において模擬CST活動に参加する。

2期

(10月~3)

 

2時間×2×2日間

CST活動1

大学において模擬CST活動を実施する。

2期

(10月~3)

 

2時間×2回×2日間

CST活動2

勤務校を中心とした研修会や理科教員との学習会等を実施し,CST活動1を深化させ,実践化を図る。

 

4期

(10月~2月)

2時間×1回

 

 

表2 「先端科学入門」講義テーマ例

学部別にまとめ、掲載してあります。今後も各分野のトピック的な内容が紹介されます。

理学部

テーマ&分野

講師名

1

タンパク質の化学:構造と機能

有馬 一成

2

(gold)のナノサイエンス

新留 康郎

3

ミリ波サブミリ波天文学と星、惑星形成

高桑 繁久

4

水銀による環境汚染 科学的な見方・考え方

冨安 卓滋

5

タンパク質を薬にする新しいバイオ医薬品

伊東 祐二

6

磁場中の物理現象

三井好古

7

鹿児島の地震と火山噴火

井村 隆介

8

金の化学

新留康郎

9

地震と予測の科学

小林 励司

10

地球環境とエネルギー

神﨑

11

天の川銀河と地球に住む私たち

新永 浩子

12

カエルとヒトの発生

どこが同じか、どこが違うか?

坂井 雅夫

13

海洋生物の寄生虫のはなし

上野 大輔

14

ホタルのヒカリの秘密と魅力

加藤太一郎

15

地球科学のフロンティア:深海掘削

北村 有迅

16

結晶と磁場

小山  佳一

工学部

テーマ&分野

講師名

1

粉の世界を知ろう

中里 勉

2

津波防災と構造物の耐久性

浅野 敏之

審良 善和

3

計算機による学習理論

渕田 孝康

4

計算化学入門~化学は3Dで理解しよう~

上田 岳彦

5

高エネルギー粒子による材料照射効果

佐藤 紘一

6

物質のいろいろな電気的性質

奥田 哲治

7

風土と建築材料

黒川 善幸

8

ブルーライトと光環境

辻村 誠一

9

セラミックス材料と燃料電池

鮫島宗一郎

10

生物間相互作用に関わる機能性分子

橋本 雅仁

11

塑性加工の摩擦と潤滑

上谷俊平

12

インターネットを支える光通信技術

大畠 賢一

13

気候変動と建築環境

曽我 和弘

14

セラミックス材料と燃料電池

鮫島 宗一郎

水産学部

講義タイトル

講師名

1

藻場減少の化学生態学

佐久間 美明

2

水圏環境汚染と生物影響

宇野 誠一

3

イカのイカすサイエンス 

―生物学、食品科学、医学的視点から―

加藤 早苗

4

まぐろ類などの水産資源管理と国際漁業委員会の役割

庄野 宏

5

森-川-海の物資循環と生物が果たす役割

山本 智子

6

水産物と水圏天然化合物のリスクとベネフィット

小松 正治

7

赤潮の科学

吉川 毅

8

魚と健康

石川 学

9

赤潮研究の現状

奥西 将之

10

水産業のための応用生態学

佐久間美明

11

希少魚類の生態と保全について

久米 元

12

魚類養殖の新技術:代理出産法について

竹内 裕

13

海藻に対する無機環境の複合作用と植食動物の影響

遠藤 光

14

魚の寄生虫はどのようにして宿主を認識するのだろうか?

田角 聡志

15

かつお節カビのパワー

上西 由翁

16

赤潮の科学

吉川 毅

農学部

テーマ&分野

講師名

1

ウシ・ブタ・ニワトリの生命の誕生と繁殖技術

大久津 昌治

2

食品の機能を科学する

侯 徳興

3

ここまできた、木材の利用

服部 芳明

4

体験から学ぶ森林環境教育プログラム

井倉 洋二

5

食品の機能を科学する

侯 徳興

6

地球温暖化と米作り

下田代 智英

7

新しい畜産システムの創出:

代謝プログラミングとIoTと国土のフル利用

後藤 貴文

8

体験から学ぶ森林環境教育プログラム

井倉 洋二

9

鹿児島の風土が産んだ発酵食品

吉崎 由美子

10

欧州に学ぶ自然再生と地域づくり

平 瑞樹

11

体験から学ぶ森林環境教育プログラム

井倉 洋二

12

植物の遺伝子組換え技術

清水 圭一

13

土のはなし

赤木 功

14

菌は森のパートナー

畑 邦彦

 

 

 

2.「理科指導実習」の概要
  • 「教員養成講座Ⅰ」(大学院生のみ対象)

    鹿児島大学教育学部で開講されている授業です.教職への理解を深め,素養となる知識の理解や全体像を捉え,教師の実践面につながる内容を位置付け,意識の深化を図ります(1年目開講)

  • 「CST活動1」

    大学において,受講者相互がCST教員および一般教員の役になって,模擬CST活動を行います.(1年目開講)

  • 「CST活動2」(現職教員のみ対象)

    現職教員は,勤務校を中心とした研修会や理科教員との学習会を実施し,CST活動の深化を図ります(2年目開講)

3 修了要件とCST教員の認定について

コア・サイエンス・ティーチャー養成コースの修了した受講者には、鹿児島大学理学部長名による認定証が授与されます。

4 CST教員の活動について

CST教員は,鹿児島県総合教育センターで実施される短期研修講座(理科)において、授業提供や事例発表者、鹿児島市立科学館で開催される「科学の祭典」の講師として活躍しています。また、CST教員は、近隣の小・中学校の現職教員に、理科授業のノウハウや授業に関する情報を提供しています。

将来的には、鹿児島県総合教育センターや教育委員会等と連携して、各地域での「理科研修会」の講師、地域における小・中学校の理科教育の中核的役割を担い、授業支援指導者や授業アドバイザーとしての活動などが構想されています。

5 新規受講者募集について

  • 4月時点で本学大学院在籍或いは在籍を予定している学生の受講者募集は、3月1日〜13日の期間に実施します。募集定員は6名程度を予定しています。なお、応募者が募集定員を超えた場合は、面接等の口頭試問を実施することがあります。
  • 小学校および中学校(理科)の現職教員の受講者募集は、2月末日までの期間です。現職教員の新規募集定員は5名程度を予定しています。
  • 募集に関する詳細は、当該年度の「CST養成受講者募集の案内」をダウンロードし,ご覧になってください。なお、受講を希望する方は、「受講志願票」(大学院生用)或いは「受講申込書」(小学校・中学校(理科)現職教員用)に必要事項を記入して募集期間内にお申し込みください。

CST養成受講者募集の案内

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受講申込書(現職教員)

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受講志願票(大学院生・学部生)

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お問い合わせ

  • お問い合わせ

 〒890-0065

 鹿児島市郡元一丁目21番35号

 

  • 鹿児島大学在籍学生は、所属する学部、研究科に問い合わせてください。

 鹿児島大学理学部学生係(TEL 099-285-8025)

 鹿児島大学農学部学生係(TEL 099-285-8532)

 鹿児島大学水産学部学生係(TEL 099-286-4040)

 

  • 小・中学校の現職教員の方は、鹿児島大学理学部学生係にお問い合わせください。

 [ 電話 ] 099-285-8025

 [ 電子メール ] gakusei@jm.kuas.kagoshima-u.ac.jp

 [ CST養成コースホームページ ] https://sci-kagoshima-univ.jp/cst/

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